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女優 北川景子の「瀬戸内まで」

北川景子さんを特別気に入っているというわけではないのですが、心に残っていることが多い。「ハンサム★スーツ」で初めて見たときは、大島美幸さんの個性に隠れがちではあったのですが、戸惑いの表情と演技に好感が持てました。「パラダイスキッス」の抑圧された自我を開花させていく女子高生の役も自然に感情移入ができて後に残りました。どちらの映画も、たまたま飛行機の国際線で見たもので、映画館に足を運んでまで見たわけではないのですが、また見てみたいと思いDVDは購入しています。


わたしが尊敬する藤沢周平さんの原作の映画化の一連の中で、「花のあと」を見ました。北川景子さんが主演です。これには参りました。彼女の楚々としていて意志が強く、また剣の道に長けている女性がまさにはまり役でした。


だからと言って特に彼女のファンであるわけではないのですが、今月の「文藝春秋5月号」に彼女が寄せたエッセイ「瀬戸内まで」には大変驚きました。危篤になった曾祖母に一目会おうと岡山から電車を乗り継ぎ急ぐ中で、曾祖母の思い出や家族のことに思いを馳せながら、そして、やがて瀬戸内海の海の輝きの中で、母からの携帯が鳴る。その文章の見事さ。表現の豊かさ。


本人が書いていないという人もいます。もしかしたら、そうかもしれない。そうであってもこの文章は良い。そして、もしこれが本人が書いたものであるなら、この女優さんの物事をとらえる洞察力や表現力は誠に将来が楽しみと思わずにはおられません。

 

ちょっと感動したのでここに書いてみました。

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